"巻雲短歌会"の記事一覧

拙文「植村武先生の連作短歌『俊寛』について(一)」3

 いまごろはいかにかあらむわが妻やわが女童やわが男の子はや  女童はすでに生(お)ひたちをとめさび日ごとにわれを恋ひつつあらむ  置きて来(こ)し子らを思へば耳底に父よと呼ばふ声きくごとし  天つ日のひかりあまねく照らせどもわが哭く涙かわくことなし  恵み深き観世音菩薩ねがはくはわれを都に帰さしめたまへ  「俊寛2」は、「…
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拙文「植村武先生の連作短歌『俊寛』について(一)」2

 さて、「俊寛」の連作ですが、1~4に分かれてそれぞれ五首ずつ計二十首あります。今回はそのうちの前半部分を紹介したいと思います。  まず「俊寛1」として、「治承三年 前年の秋に、成経、康頼の両人は都に召し還され、いまは、俊寛のみ鬼界が島にあり」と詞書があり、次の五首が並んでいます。    おだやかに凪(な)ぎわたりたる海原のひかり…
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拙文「植村武先生の連作短歌『俊寛』について(一)」1 連作短歌の意義・俊寛の気持ちになってその心情を詠む

 「巻雲」誌の次号に掲載する作品に、そろそろ取りかからねばいけない時期になってきましたが、まず今年度号(147号)に載せた拙文「植村武先生の連作短歌『俊寛』について(一)」の続きを書く予定です。これは先生の歌集「凌霄(りょうしょう)」に掲載された連作を解説したものです。「凌霄」は、当時母校の大阪市立天王寺中学校の文芸部の顧問をされて…
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