「養老の滝」伝説2 「続日本紀」の記述を基に、後年「十訓抄」の編者が、中国に伝わる親孝行の話を念頭に置いて創案(「日本伝奇伝説大辞典」)


 「養老の滝」の伝説の成立について、「日本伝奇伝説大辞典」(角川書店)の中で、次のように指摘されています。
 「続日本紀」に、元正天皇が美濃国に行幸したところ、湧き出している泉に老いを防ぎ病気を治すという効能があるのを天皇が知って賞賛し、年号を養老と改めたという記述があり、これを基に、後年、「十訓抄」の編者が、中国に伝わる親孝行の話を念頭に置いて「養老の滝」の説話を創案したのだろうと。
 「古今著聞集」にも「十訓抄」と同じ話が記されているものの、「十訓抄」からの補入だと推定されています。
 この話の主人公の源丞内については、「日本伝奇伝説大辞典」の中で、養老寺の開基とされていることは記されているものの、実在の人物であるかどうかについては、言及がありません。元正天皇が源丞内を美濃守に任命したというのは後付けの話だと思われますが、この人物についてはまだ研究の余地がありそうです。

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