石田三成の実像3457 京都探訪405 三成の菩提寺である大徳寺三玄院の初公開2 三成と正澄の位牌・古田織部の茶室・「泉仙」のゆば懐石

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 大徳寺三玄院の枯山水の庭園は、雪が降り積もっていたため、三玄院の由緒書に掲載されている写真と随分風情が違っていましたが、貴重な雪景色を眺められて大いに満足しました。本堂の中心には春屋宗園像が安置されており、その左側には本尊の阿弥陀仏像や寺に関係する人々の位牌がありました。その位牌の中には、石田三成と兄の正澄の位牌も交じっていました。本堂の右側には、龍の襖絵が、左側には虎の襖絵が描かれており、江戸時代の原在中の筆になります。もっとも、龍の方は直接龍の姿は描かれず、鱗によってその存在を表す手法が使われています。虎の方は「八方にらみの虎」であり、どこから見ても虎ににらまれているように見えます。本堂の隣の部屋や裏側の部屋に、やはり原在中の筆になる四季それぞれを描いた襖絵もありました。この前日にテレビ番組「京都ぶらり歴史探訪」で、たまたま三玄院のことも取り上げられていましたが、先入観を持たずに拝観したかったので、その時は見ずに録画したものを翌日見ました。
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 三玄院には、古田織部が設計した茶室がありますが、公開はされておらず、外観を見るだけでした。もっとも、ガイドの人から、茶室には珍しく八つの窓があること、そばの灯籠は織部灯籠であることなどの説明を受けました。テレビ番組「京都ぶらり歴史探訪」では、尾上右近さんたちが住職さんの案内で、特別に茶室の中に入っていました。座ると丁度いい高さになっていること、三畳台目(三畳の客座と一畳の点前座)の茶室になっていること、窓が多いため明るい空間になっていること、さらに天井に突き上げ窓が付いていて二重の障子になっており、明るさが調節できることなど、織部好みの趣向が凝らされていることがよくわかりました。織部を主人公にした漫画「へうげもの」は、織部の独特で奇抜な世界観・美意識がよく出ていて興味深い内容になっているのですが、三成が無表情で非情な姿で描かれていることに、不満を覚えます。
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 大徳寺三玄院の拝観は夫婦2人で行ったのですが、昼食は「泉仙」で取りました。まず大徳寺大悲院の中にある「泉仙」に行きましたが、ここは鉄鉢の精進料理しかないので(ここで食べたことは二度ありますが)、門前にある「泉仙」紫野店の方へ行き、「ゆば懐石」を食べました。生ゆばがふんだんに使い工夫された精進料理の数々の味を堪能しました。ゆばの刺身、豆乳鍋、野菜の天ぷらなど品数も多く、ヘルシーな料理でした。最初に抹茶とわらび餅が出てくるのが特徴的です。もっとも、懐石の本来の意味は、茶を飲む前に食する軽い食事のことですが。最後にデザートも出ました。しばし外の寒さを忘れ、ゆっくり食事を楽しみました。

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