京都探訪391 京都国立近代美術館の「コレクション展」1 エアブラシを使った三尾公三さんの作品

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9月30日、京都国立近代美術館の「コレクション展」を夫婦で見に行きました。スーパーへの買物以外で、二人で外出するのは1ヶ月ぶりでした。美術館の所蔵品百数十点が展示されていました。その時、美術館は改装工事中で、展覧会は4階でのみ開かれていました。一部の作品以外は、撮影OKだったので、気に入った作品を結構撮りました。洋画、日本画、版画、陶磁器、工芸品など、展示作品は多岐にわたっており、2時間かけてゆっくり見て回りました。
 三尾公三さんの作品だけが展示された部屋もありました。エアブラシを使った技法で描かれており、まるで写真のような趣きがあります。「フォーカス」の表紙絵を担当したことでも有名です。名古屋の出身ですが、京都に関わりが深く、京都造形芸術大学名誉教授になりました。陶芸家の清水九兵衛さんの作品展が最近まで開かれており、彼と三尾さんの親交が深かった関係で、展示されていました。
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 写真は三尾さんの作品「渚にて」と「ヴェネチアの女」ですが、両作品共、女性が描かれていて、まるでカメラで撮ったようです。欧米の雰囲気があるのは、女性の顔が西洋人だからでしょう。「渚にて」は、砂浜に女性の顔は大きく描かれているものの、海には人の姿はなく、夏の感じはしません。絵を見ていて、加山雄三さんの曲「ある日渚に」が思い浮かびました。一人渚にいて、今はいない恋人のことを思いを馳せ恋人の名を呼んでいるという内容の、哀愁に満ちた歌ですが、どことなく同じような雰囲気を感じました。もっとも、「渚にて」には、洗練された洒落た趣きも漂っていますが。
 「ヴェネチアの女」は、ブランド品の広告を兼ねた絵でしょうか。イタリアファッションを前面に出した、エレガントで粋な印象を受けますし、女性の視線に目が引き寄せられます。ヴェネチアと言えば、伝統的で美しい街並みが特徴的な水の都のイメージですが、この絵はもっと現代的で先鋭的な感じがします。

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