京都探訪384 祇園祭前祭の山鉾巡り1 「鶏鳴狗盗」の故事にちなんだ「函谷鉾」、「諌鼓鶏」の故事にちなんだ「鶏鉾」

3年ぶりの祇園祭前祭の山鉾巡行がつつがなく終わったのは何よりのことです。山鉾巡行だけでなく、宵々山も宵山もは大変な人出で、大混雑していたようです。宵々々山に当たる13日の昼間、少しは人出がましだろうと思って、妻と山鉾を少し見に出かけました。もっとも、その日も、混み合うという程でないにしても、たくさんの人で賑わっていました。祇園祭を待ち望む人がそれだけ多いという証拠です。NHKのドラマ「京都人の密かな愉しみ ブルー 修業中」の中で「祇園さんの来はる夏」という題の回がありましたが、まさに京都の夏に祇園祭は欠かせないものです。
 函谷鉾、鶏鉾、菊水鉾、山伏山、放下鉾、月鉾、長刀鉾と回りましたが、まだ組み立て中の山鉾もあったものの、組み立て過程も見ることができて、改めて祭りにかける時間や労力、代々受け継がれてきた伝統の重みを改めて感じました。
 DSCF0809.JPG 写真は京都経済センタービル「SUINA室町」の前から撮った函谷鉾です。
 函谷鉾の名前の由来は、中国の戦国時代に、斉の孟嘗君が召し抱えていた食客(いそうろう)が鶏の鳴き声を真似ることによって、夜がまだ明けていないのに函谷関を開かせ脱出できたという故事にちなんでいます。この故事から「鶏鳴狗盗」という成語が出来ましたが、高校の漢文の授業で、この話は何回か取り上げました。「狗盗」は、犬のようなこそ泥棒という意味ですが、盗みがうまい食客が白キツネの毛皮を盗み出して献上することによって、秦に捕らえられていた孟嘗君を釈放させるという働きをします。こうふうに孟嘗君の食客が活躍する話であるにもかかわらず、「鶏鳴狗盗」の故事成語は、「小利口なつまらぬ人物」というマイナスの意味で使われています。
DSCF0814.JPGDSCF0810.JPGDSCF0811.JPG 函谷鉾は四条通に建っていますが、次に室町通に建つ鶏鉾を見に行きました。鶏鉾の名前の由来は、中国の故事「諌鼓」に因んでいます。「諌鼓」は、中国古代の伝説上の尭(ぎょう)帝が、自分の政治に不満があれば叩いて諌言するようにと宮廷の外に置いた太鼓のことです。しかし、尭帝は善政を敷いたので、太鼓は使われなくなり、やがて太鼓には苔が生え、鶏が巣をつくったと言われており、それが「諌鼓鶏」です。鶏鉾の鉾頭の三角形の中の円形は鶏卵が諌鼓の中にある意味だとする説もあるようです。

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