通院の帰りに見た山科川の桜 フランス文学探訪103 カミュの小説「ペスト」不条理なものに反抗して立ち向かう

DSCN9093.JPGDSCN9098.JPGDSCN9108.JPG関西医大への通院の際は、六地蔵から山科川沿いに歩いて帰宅しましたが、桜が満開でした。もっとも、散瞳剤の影響で、まぶしくぼんやりとしか見られませんでした。今年のささやかな花見です。
 カミュの小説「ペスト」が読まれているそうですが、学生時代、サルトルとカミュはフランス文学の最先端の作家でした。「ペスト」は、翻訳書でも原書でも読みました。ぺスト菌に冒され、外部から封鎖されたアルジェリアの町で、ペストと懸命に戦う医師やその熱意に共鳴した人々の物語です。ペストは不条理なものを象徴しており、不条理文学の代表作と云われる所以です。新型コロナウイルスもまさに不条理なものであり、人間一人一人はか弱く非力な存在であっても、団結して協力すればその不条理なものに立ち向かうことができます。「ペスト」も、最後は感染が終息し、町も開放され、主人公たちの努力は報われます。もっとも、それまでの町の様子は悲惨で、感染がどんどん広がり、多大の犠牲者を出していくところには、戦慄を覚えますが。カミュは「反抗的人間」という評論も書いていますが、人間にできるのは、そういう不条理なものに対して、反抗することだとだけ論じています。その思想を具現化したのが、小説「ペスト」だと云えます。
 こういう小説の世界が、何十年を経て現実のものになるとは思いもしませんでした。それは欧米の人々、世界の人々も同様であり、都市が封鎖された中で、「ペスト」を読んで、希望の光を見たに違いありません。
なお、小説「ペスト」の登場人物たちのことに関しては、2008年の1月26日付、4月11日付、4月14日付の拙ブログ記事で詳しく述べていますので、目を通していただければと思います。

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